2007年11月17日土曜日

ならたび4 明日香の素敵なカフェとどんでん返し編

さて、ならたび日記 ver.明日香もいよいよ最終回☆

鬼の雪隠→鬼の俎→亀石→橘寺→石舞台古墳→岡寺→飛鳥寺とチャリで駆けまわってですな、結構な距離だったのですが、意外なほどしんどくもなく、相方さんの風邪もどうやら悪化することなく、無事に全行程を終えたわけです。

ほ~んとに景色がよくってね、心は晴れやかになりますね。
あとこれで、素敵なお店があったらなあ、って思っていたのですよ。
むやみやたらにお店がないのが明日香のいいところですが、石舞台古墳の横にあった飲食店は、それなりにキレイなのですが、なんか行政が運営しているっぽい、軽食から喫茶まで定番メニューを揃えましたってかんじのお店で、これは食指が動かず。

まあ、場所が場所なので、そういうのは諦めていたのですが、飛鳥寺を出て帰路につこうとしていたときにですな、なかなか素敵なお店を見つけたのですよ。



ひょうひょう、
という名前のお店なのですが、名前のとおりひょうひょうとしたかんじで、いい味を出してましてね(笑) 外観を見ただけで、相方さんと2人してチャリを降りて、フラフラと入ってしまいましたね。

築100年の町屋カフェ。
身体に美味しいお昼ごはん。
作家さんの手づくり作品。

なんてキーワードがすぐに浮かんでくるのですが、オレ的にはそういうことはどうでもよくて、畳が敷いてあってペタって座れて…、というか、なかに入ってみると。ほとんど家ですわ~(笑) オレ、こーゆーお店は大好きです☆



すごい生活感がありましてですね、写真の左側にある2階へ上る階段は、ここの家族が住んでらっしゃる部屋に直結してましたから(笑)
店員さんというか、オーナーさんのおかあさんは、文字通りひょうひょうとしていて、つかず離れずのいい距離で接客してくれて、言うことなしです。
禁煙のお店だったんですが、お客が誰もいなかったってこともあって、窓際の席で、窓(普通にベランダっぽいサッシの窓ですが。笑)を開けて、そこで煙草を吸ってました。子供らが灰皿を持ってきてくれましたですよ。

チャイを注文して、ずいぶんとほっこりしてました。
明日香の最後に、こんな店に遭遇するなんてね! 近ければ、絶対に通うのに!って思ってしまいました。



さて、ホッコリする景色もお寺さんもカフェもなにもかもよかった明日香をあとにするべくですな、駅に向かってチャリを走らせていたら…、途中、ダメ押しのコスモス畑☆ 今年はコスモス畑を見てなかったので、名残のコスモスとなりました☆ ここらあたり、まだ収穫していないところが多かったです~。



さてさて、いよいよ本当にこれが最後、あと10分もチャリを走らせれば駅です。
道もガラガラだし、チャリをぶんぶん走らせていたらですな、オレの隣で、ガッシャーン☆ってすごい音が。

相方さん、チャリで転んで、大クラッシュですがな!
こんなかんじ(笑)







ちょうど、ジジババのハイキング集団の目のまえですっ転んでましたがな~。
車道を走っていて、歩道に車線変更しようとしたときに、ほら、車道と歩道の境目って軽くスロープにはなってますけれども、若干の段差があって、シームレスになってないじゃないですか。そこの段差に足を取られて、大転倒ですよ…。
しゃーないから、転がったチャリを起こしてですな、うずくまってる相方さんを見舞うと…、足を押さえて、痛い!痛い!恥ずかしい!痛い!恥ずかしい!と。。。

ジジババの目のまえですっ転んだので恥ずかしいらしいのですが、ま、そんなことはどうでもよろしい。
それよか、足ですよ、足。
見たところ、右足以外の外傷はないのですが、その右足も特段外傷はなく、単なる打撲だろうからすぐに痛みはおさまるんじゃないか?って思っていたのですがね。骨折しているかんじでもないし。。
でも、かーなりひつこく痛がっているので、痛みの感触を聞いてみると、どうやら、靭帯を痛めたっぽいですね。要するに、チャリで転けたときに足を強烈にひねって、重度の捻挫。
これ、オレが去年のGWにやったのとおんなじ症状ではないですか…。歩けないんですよね。ま、そんときは相方さんはオレを見て笑ってましたが…。

最後の最後で、これです~。

最後とはいえ、まだ飛鳥駅まではチャリで10分程度走らなければならないし、最後にちょっとした坂があったのですよ~。
もうね、這々の体で駅までついて、駅からも肩を抱えてそろ~りそろ~り。
ちなみにこっから相方さんの家までは、なかなか遠い(笑)
3回くらい電車を乗り継いで、最後はバスですからね。ま、最後のバスは諦めてタクシーで帰りましたが。。

そんなわけで、天気問題と風邪にはじまって、最後は、チャリで転んで捻挫→現在、松葉杖生活、と(笑)
そういう旅と相成りました~。

オレんときは病院に行かずに無理して仕事したので3ヶ月以上かかりましたけれども、相方さんはちゃんと病院に行ったみたいで、完全復帰までには1ヶ月くらいかかるらしいです~。これで今年の紅葉はアウトっぽいですなっ!
ま、しばらくはのんびりしなはれ、ということですな。

あ、松葉杖姿の写真を送ってこないので、こちらは参考写真。靭帯を痛めるほどの重度の捻挫は、こんなふうに体液がそこに充満して、テニスボールくらいのコブが出来上がって腫れまくります~。




またしても、明日香出身の、オレと相方さんの縁を取り持ったミュージシャン、家根嘉のライブです~。

本日の1枚:
『Black Coral』
Yaneka

2007年11月16日金曜日

ならたび3 明日香のお寺さん編

ならたび日記、まだ続きます(笑)
鬼の雪隠、鬼の俎、亀石とまわって、聖徳太子生誕の地である橘寺にてやっとお寺さん巡りらしくなってきたわけですが、次に向かった先は、石舞台古墳。

こいつは、さすがに蘇我馬子の墓だけあって、変哲な石ではすまない代物ですな☆
山のなかに突如として開けた広大な広場の真ん中にこいつはありまして、まさに、舞台といった趣です。
修学旅行生やら家族連れやらが、シートを広げてご飯を食べたり、遊んだり、気持ちのいい時間を過ごしてはりましたわ。
オレと相方さんも、ここでお昼ご飯。
相方さん、食後すぐに寝てましたけれどもね(笑)



すすきがたくさん風になびいていて、ひろびろとしていて、絶好のお昼ご飯スポットですよ☆



石舞台古墳は、こんなのです。あたりまえですけれども、歴史の教科書でさんざん見たのとおんなじ、例のやつです(笑)



この石組みの下に、四方10mくらいの地下室がありまして、そこに棺が納まっていたらしいのですね。ま、墓荒らしに遭ってますから棺自体はなくなっていて、文献から蘇我馬子の墓らしいということがわかっているって話ですが。
しかし、この下に地下室があるなんてことは、教科書には書いてなかったような…。

飛鳥時代というのは後期古墳時代と重なっているのですが、最大派閥を誇った豪族の長の墓とはいえ、皇室関係者じゃないせいか、仁徳天皇陵みたいなでっかい古墳ではないのですね。
政治的な理由からとはいえ、日本に仏教を広めた功労者だし、聖徳太子の後見人でもあったわけだから、もっとでっかい墓か菩提寺みたいなお寺さんがあってもよさそうなものですが、ない。これだけ。
彼の死後すぐに勃発したクーデター、大化の改新で蘇我氏一族は根絶やしにされてますから、そういうことも影響しているのでしょうね。

ときの権勢者というのは、後年の権勢者によって否定されるのが常ですが、なんか、兵(つわもの)どもの夢の跡ってかんじで、無常さを感じますですよ。

さて、腹ごしらえもすんで、次に向かった先は、岡寺。
山のてっぺんにありまして、途中、心臓破りの坂があり、チャリではかなりしんどいところをフーフー言いながら登っていった挙げ句に、最後は、坂が急すぎてチャリが禁止となってましたわ…。
ったく、どうして山寺というのは、どこもかしこも険しいところにあるのか…(笑)
でも、高いところまで登った甲斐あって、景色がよくてですね、明日香の山里が一望ですよ☆



ここはいいお寺さんでした。
梅に桜にシャクナゲにサツキにツツジ、アジサイに芙蓉にムクゲ、紅葉と、1年を通じて花が咲き乱れる花寺ですね。こんときは、紅葉が間近まで迫ってました。

それに、本堂の屋根のかたちがいいです☆
正面の曲線がね、たまりません(笑)



三重塔も、気品があります☆



本堂にある如意輪観音像がタダモノではないと思っていたら、東大寺の大仏と並んで、奈良の三大仏ですと。もちろん、重文指定。
んで、本堂まで来て初めて、相方さんが、ここは来たことがある!と。
相方さんは3年くらい前に一瞬だけツアコンのバイトをしてまして、そんときに来たんですと。本堂を見て、初めてそのことに気がついたんだとか(笑)

ちなみに、ここは日本で最初の厄除霊場でもありまして、西国三十三ヶ所観音霊場の第7番札所でもあります。
相方さん、御朱印帳を買ってはりましたわ(笑)
オレと一緒にお寺さん巡りをするようになって、どーせなら!ってことで、御朱印を集めたい!と思うようになったらしいのですね。
ほいで、このお寺さんは再訪するのがなかなか厳しいお寺さんでもあるので、ここで御朱印帳を買って、このお寺さんの御朱印を押してもらわなければ、次にいつ来れるかわからん!と思い立ってですね、めでたくご購入ですよ。
なんか、オレよりものめり込んではります(笑)
そのくせに、行ったことのあるお寺さんの名前とか、全然覚えないんですけれどもね。

オレは、御朱印にはそれほど興味がなくて、こいつを集め出すと、コンプリートするためにお寺さん巡りの数を無理矢理こなしそうな気がして、というか、自分の性格上、きっとそうなるであろうことが読めていて、お寺さん巡りくらいは野望も邪心も抜きでのんびりやりたいなあと思っているので、オレはなんもなしで。
だいたい、写真だって、以前は撮ってなかったんですが、最近になって記録に残すことを決めたので、それでなくても、写真を撮るという作業が加わっているので、これ以上、御朱印帳なんてのが加わると、忙しくて仕方ありません。

ま、御朱印帳はともかくとしてですな、鐘でも撞いて、煩悩を滅してくだされ、と(笑)



さて、最後に向かった先は、飛鳥寺。

こここそが、日本最古の寺院。もともとは元興寺と呼ばれてまして、奈良に都、平城京が出来たときに、元興寺はそちらに移築。そして、この地には新たに飛鳥寺を建てたわけです。奈良市内にある現在の元興寺には、かつてこの地にあった名残の屋根瓦がありますわ。

ここには、現存する日本製の最古の仏像、飛鳥大仏がいらっしゃいます。
鞍作鳥(くらつくりのとり)がつくったとされていて、彼は渡来人ですから、この時代の百済、つまりコリアン文化が色濃く残っている大仏さんですね。
仏像については、平安時代に仏師定朝が家内制手工業による仏像製作のシステムを確立させ、以後、産業として成り立ち、後年に運慶や快慶といった大天才が生まれるのですが、鞍作鳥がつくっていたころの大仏製作は、産業以前の、まさに、宗教イコンをつくるためだけにつくられたものですから、少なくとも、金銭的な邪心を交えることなくつくられた数少ない仏像ということにもなります。

金銭的な欲望や名声の欲望もモノヅクリの立派な動機となりますから(事実、そうした動機も加わることによって、傑作と呼ばれる仏像は生まれてきました)、それらすべてが邪心だという気はまったくないですけれども、今の時代にあって、そうした動機がまったくない環境でつくられるものなどまずないのだから、その意味でも、この大仏さんは貴重ですね。

これが、飛鳥大仏。ブロンズ製です。ただし、何度も修復が繰り返され、全部が全部、当時のままというわけではないですけれども。




眼がアーモンド型をしていたり、一般的な仏像とはかなり趣が違いますが、日本に入ってきたころの仏さんというのは、こういうかたちをしていたのですね。パンチパーマも、心なしかシブいです(笑)
仏像というのは、要するにフィギュアですから、その作者の美意識が反映されるだろうし、当時、このお顔は、かなりいけている顔だったのでしょうね☆

さてこれで、明日香の遺跡&お寺さん巡りも終わり。
あとは帰路につくのみなのですが、ま、いろいろあったのですよ~。
続きは明日の日記、「ならたび カフェ&どんでん返し編」へ(笑)
次回、最終回です~。

本日はですね、明日香出身で、オレと相方さんが出会う縁となった大切な友人、家根嘉のライブを。

本日の1枚:
『Roofsession』
Yaneka

2007年11月15日木曜日

ならたび2 明日香チャリ巡り 風景編

えーっと、ならたびの続き。

相方さん、前日に風邪引いて、当日に生理になって、雨もキッチリ降らせてくれて、ぱなぬふぁさんの蚤の市を楽しんで、その後に場所を奈良倶楽部に移して、ぱなぬふぁさんとgoutさんと相方さんとオレとでお茶タイムして、不思議な縁ですなあ、と、しみじみ思ったのが前日の日記。

奈良倶楽部で出された晩ゴハンはフルコースの肉も魚もあるという大盤振る舞いでして、相方さんならずともご飯をおかわりする気持ちはわからんでもないのですが、ま、相方さんも例に漏れずおかわりしてはりまして、三段腹になっておりました~(笑)
そんな腹では普通のツインに収まりきらんとご配慮してくださったgoutさんが用意してくれた部屋は、なんと4人部屋ですよ☆ オレと相方さんの2人で、ベッド4つの部屋を占領! おかげで相方さんの三段腹も問題なく収まり…(笑)

えーっと、こんなところで詳しい記述をしていたら、いつまでたっても終わらんので、次行きます!

さて翌朝、晴男のオレの努力もやっと実り、見上げれば青空☆
相方さんの体調と相談しながらだったのですが、結局ですな、当初の目的通り、明日香へと向かったのでした。

明日香は、奈良市内よりもグーンと南にありまして、奈良の中央部に位置するところ。
日本に中央集権的な国家が最初に誕生した地ですな。俗にいう、飛鳥時代の舞台です。聖徳太子が活躍したころの、聖徳太子が生まれた地でもあります。
明日香と飛鳥、なんでふたつの漢字があるのかも、どのように使い分けているのかもオレは知らないのですが…、えーっと、誰か教えてください。。。
四方を山に囲まれた山里でして、日本で唯一の村全域が保存の対象になっている地域ですから、多くの人にとっては懐かしい風景が広がっています。
そこをね、チャリで散策するんです~。

奈良倶楽部を9時半には出発して、飛鳥に到着したのは、11時ですよ。遠い遠い!
近鉄飛鳥駅前には、レンタサイクル屋さんが軒を連ねておりまして、早速、チャリをレンタル。
相方さん、風邪がどうなってるのかわかりませんが、やる気満々です(笑)



地図とにらめっこして、今回向かったのは、
鬼の雪隠→鬼の俎→亀石→橘寺→石舞台古墳→岡寺→飛鳥寺
全行程10kmくらいですかね。

奈良時代よりも古い時代ですから、お寺さんというよりも、古墳のようなものが多いですね。
まあ、個人的には古墳は古すぎて興味がわかないんですが、一応、チェックポイントになっているところは、まわってみました。

鬼の雪隠&俎。
凹凸の石がセットになってるようなものなんですが、どうやら、大化の改新の翌年に天智天皇の第1皇子で持統天皇の実弟・建王と、建王の祖母・斉明天皇が合葬された可能性が高いらしい。
でも、見た目は、巨大な石の凹と凸なのですよ~。
形状から伝わるお話が、鬼が霧を降らせ迷った旅人を「鬼のまないた」のうえで料理し、腹いっぱいになったところで鬼の雪隠で用を足した、とか。そっから名前がついているらしいのですが、ああそうですか、としか、言いようがなくて…。

続いて向かった亀石もですな、重さ40トンばかしの花崗岩なのですが、亀に似ているとかなんとか…。
これまた、ああそうですか以外の感想がなく(笑) だって、変哲のない石なんだもん!

なので、このへん、写真すらありません(笑)

それよりもやっぱ、風景ですね、風景☆
のどかで気持ちのいい風景が広がっているのですよ。





ところどころに素朴なお地蔵さんがありましてね。
もちろん、山里であって原生林ではないですから、それこそ1300年以上のむかしから手入れがされてきている風景なのですが、手入れの仕方が、1300年前のまんまだってのがね、素敵ですよ。
この風景、1300年前となんら変わっていない風景です。
自然を征服し、人間の意のままにするのではなく、自然と人間がいいバランスで共存出来るポイントはここしかないだろ?と言いたげな、風景です。

奈良はね、以前にも書きましたが、どこそこの寺がいいとか、そういうこともありますが、それよりもなによりも、風景に企みがないのがね、オレは好きです。
これ見よがしな小賢しさ、あらかじめ決められていて外れることを許されないルート、そういうものが、奈良の風景には、ないのですよ。
京都にはつくり込んだ人工美のよさがありますが、奈良は、つくり込む以前の、まだ野心も野望もない、人間が無心に素朴に生きていたころの風景が広がっているような気がします。

柿がたくさん成ってましてね。ここは、本当に柿が多い。
柿は、日本人の甘さの味覚の基準となっている果物ですが、その柿が明日香にはたくさんあって、この時代から柿を食べてきたからこそ、日本人は柿を甘さの基準としているのだな、と、納得させられました。



天気も絶好のチャリ日和で。



田んぼの風景も都会育ちのオレにはすごく久しぶりで。



そういう風景をずーっと眺めながら、最初向かったお寺さんは、橘寺。
聖徳太子がこの地で生まれましてね、後に、聖徳太子自身が建立したと言われているお寺さんです。
このお寺の近くにあった、馬屋で生まれたから、厩戸皇子。





橘とはみかんの原種ですが、なんとかというオッサンが、天皇の命を受けて不老長寿の薬を求めて持ち帰った橘の種をまいたことから、その名がついたとか。

鎌倉時代に天台宗に鞍替えしてまして、そのせいでご本尊は如意輪観世音菩薩坐像なのですが、これがまた、優雅に片膝を建てて座ってらっしゃるのですよ~。いやいや、国宝にこそなっていないようですが、なかなかいい仏さんでね、オレはかなり気に入りました。
明日香に来てまで、仏像の奈良、庭の京都を実感させられるとは!

その他、聖徳太子関係としては、往生院に聖徳太子像がありましたな。
それと、「日本仏法最初」の文字も。
適度な大きさの境内は、なかなか気持ちよくて、ここもいいお寺さんです。




ああ、もっと書いていたいのですが、今、仕事に追われてまして、今日のところはここまで。

2007年11月14日水曜日

ならたび1 雨と縁と直前のドタバタ編

無事、奈良からご帰還です☆

今回の奈良は、goutさんの奈良倶楽部に泊めていただき、奈良市内ではなく明日香を散策しよう!って企画でして、相方さんの休みにあわせて、2週間ほどまえに企画したのでした。

まずね、相方さんの休み。最近、火曜日が休みになることが多いらしく、毎週火曜日にどこぞかに出かけているのですが、先週も先々週も、火曜日のみ、ピンポイントで雨(笑)
ま、希代の雨女ですからね。
希代の晴男でもあるオレですら、負けますから…。

さて、今週は月曜火曜と相方さんのお休みがとれたので、その日に奈良遠征と相成ったわけですが、心配なのは、天気ですよ、天気!

なんせ、明日香は、山間にある里。チャリで走りまわるので、雨なんかに降られると、企画そのものが中止に追い込まれます!

1週間前から週間天気予報とにらめっこしてましてですね、最初、月曜火曜は、晴マークが出ていたのがですな、だんだんと雲行きが怪しくなり、最終的には直前の土日が雨となって、なんとか、月曜火曜は晴れそう…、ってところまで頑張ったわけです。これ、ひとえにオレの努力ですけれどもね(笑)

こうして、なんと天気問題はクリアしそうなところだったのにですな、日曜の朝、相方さんからガラガラ声で連絡がありまして、風邪引いた!と(笑)
ガラガラ声で、電話の向こうで呻いてはりましたわ~。
ったく、せっかくオレが天気問題をクリアしたというのにですな、風邪ですよ、風邪。。。
ったく、遠足前の小学生ではないですか、これでは(笑)
とにかくチャリでうろうろするわけだし、風邪だとそれもままならんわけですから、ここはですね、goutさんの奈良倶楽部には申し訳ないですけれども、今回はキャンセルさせてもらって、また日を改めて、って考えもしたんですが、相方さん、行く!と(笑)

しゃーないので、当日朝まで様子を見て、同時に、明日香以外の、チャリじゃなくて簡単に行けるスポットなども検討してですな、なんてかんじで、前夜を終えて、朝を迎えてみるとですな…、

風邪はましになった(ことに、どうしてもしたいらしい。笑)、と。でも、予定外の生理がやって来て、微熱がある!と(笑) 腹も痛い!と。でも、行く!と(笑)
まあ、おたがいのスケジュールがそんなにあわないので、お泊まり旅行はそうそうあることではなく、今回を逃せばいつになるやら、ってのもあってですな、相方さん、頑張って行く!と…。

ま、そんなわけで、とりあえず出発することになったわけです。。。

さて、話は少し戻ります。
今回の奈良行きを決めたのは月の初めなのですが、特に、公表もしてませんでした。
で、火曜日の明日香散策は決まっていたのですが、月曜日にどこへ行くかというのが未定でして。
相方さんは早めに奈良入りして、goutさんに紹介してもらったいつものマッサージ屋さんへ、ってことだけが決まっていて、それ以外の予定がまるで決まっていなかったのですね。
まあ、相方さんの奈良遠征といえば件のマッサージ屋さんですから、それさえこなせば彼女の目的は達成されたも同然、ほかはどうでもいいのです(笑) ちなみに、風邪引きのために今回はそのマッサージもキャンセルになってしまったわけですが(笑)
それに、今回は、正倉院展も行かないことにしていたため、さて、どうしたことやら、と、思案していたのですよ。

そしたら、です。
マイミクさんのぱなぬふぁさんがですな、秋篠川沿いにある素敵なカフェ、パルロワで行なわれる蚤の市に出展される、と。
なんたる偶然!とはこのことですよ☆

ぱなぬふぁさんは、オレがmixiをはじめたごくごく初期のころにマイミクさんになっていただいた、素敵な婦女子さんです。
そんときは相方さんと正倉院展に行くことになっていて、それ以外にどっか行くとこないかなあ、って、mixiで検索しまくってたんですね。んで、なにをどう検索したのか覚えてないんですけれども、奈良にお住まいのぱなぬふぁさんが引っ掛かかりまして、それも、パルロワなるカフェのことを日記に書かれていて、ここに行ってみたいな!ってオレが思って、その日記にコメントしたかメッセしたか、したのですね。
それでパルロワなるカフェの場所などを教えていただき、正倉院展のあと、そちらへ向かったのでした。

秋篠川のほとりに建つ風通しのいいカフェで、素朴な雰囲気を大切にしているのが手にとるようわかる素敵なカフェだったのでした。窓越しに薬師寺の五重塔が見え、眺めもよく。
相方さんは、そこで、それがなければ死ぬ!というほどに大好きなサツマイモのスイーツを召し上がられてですな、たいそうなご機嫌で、パルロワをあとにしたのでした。

そのパルロワで、オレと相方さんが奈良遠征に行くその日に蚤の市が行なわれて、なんと、ぱなぬふぁさんが出展される!と。
なんちゅー縁ですか!
ぱなぬふぁさんとは普段からお会いして遊んだりする仲ではなく(したいんですけどね☆)、夏の燈花会のときに道端のごっつい美味い屋台で初顔合わせして以来の邂逅です。

オレは、どんな人であっても、会いたいと思えば会えるに決まってる!って信じてる人間ですが、こんなふうに縁が太くなっていくというか、こんなふうに縁が素敵なかたちを結んでいくのって、いいですね。こんなことってあるんだなあ、って思いましたですよ。

そういうぱなぬふぁさんがいらっしゃるパルロワにですね、月曜昼、向かったわけです。
最寄り駅で相方さんと待ち合わせをしたのですが、相方さんが到着した瞬間、それまで晴れていたはずなのに、いきなり雨ですよ(笑)
どんな力なんですか!
歩いてもたいしたことない距離なのですが、風邪っぴきなので、タクシーにでも乗るしかないじゃないですか…。
で、5分もしないうちにパルロワに到着してみるとですな、ぱなぬふぁさんが店の外で空を見上げてらっしゃる。
聞くと、雨が降ってきたので、もしかしたらそろそろ来るのかも、と(笑)
ご名答です☆
もう、笑ってしまいますわ~。




ぱなぬふぁさんのお店は、草木染めのストールやらビンテージもののLPレコードやらニット帽やら、いかにもぽなぬふぁさんらしいブツの数々☆
相方さん、通勤用にと、素敵なケリーバッグを買ってはりましたな。500円を100円にまけてもらってましたが…。



ファブリック繋がりで相方さんとぱなぬふぁさんが盛り上がり、音楽話でオレとぱなぬふぁさんが盛り上がり、なかなか素敵な時間を過ごしているあいだに、雨はすっかりあがり、いい天気に(笑)

さて、1、2時間ほどお邪魔して、そののち、オレと相方さんはgoutさんの奈良倶楽部に向かったわけですが、ここでもねえ。
パルロワから電車で数駅、近鉄奈良駅からバスで10分くらいなのですが、バスを降りる直前に、またしても雨(笑)
もうね、笑うしかないですよ(笑)
待ち受けるgoutさんが、急に空が暗くなって雨が降ってきたので、もしや!と思ってらっしゃったところへ、オレと相方さんが到着したのでした。。。

もうね、雨を引き連れて移動しているとしか思えませんから(笑)

このあと、ぱなぬふぁさんが奈良倶楽部にいらっしゃって(ケリーバッグと相方さんの荷物を持ってきてくれたのでした☆ ぱなぬふぁさん、ありがとうございます~)、goutさん、ぱなぬふぁさん、相方さん、オレの4人でしばしお茶タイムを楽しんで、相方さんの風邪も、なんとかこれ以上悪化することもなく…。

いやいや、不思議な日だということで(笑)

ぱなぬふぁさんが少しまえに日記で披露してくれて以来、オレたちのあいだで人気沸騰中の、ゆるい絵のカルタ(正月にカルタ取り大会開催決定☆)。





今日は、これでいい?

本日の1枚:
『Singin' in the Rain』
Gene Kelly

2007年11月13日火曜日

奈良に来てます〜☆



今日と明日は待望の奈良倶楽部お泊まり☆

相方さん、前日から風邪(笑)
ま、強行突破ですわ~。天気は、とりあえず朝は快晴だったのですよ。

ほいで、偶然にも、ぱなぬふぁさんが、パルロワで蚤の市出展と相成りまして、そちらに向かおうとしたら、雨(笑)

すぐに止んだのですが、奈良倶楽部へ向かった途端、またしても雨(笑)

どこまでも、雨と仲良しの相方さんですわ(笑)

そうそう、ぱなぬふぁさんの店で、相方さん、ケリーバッグをお買い上げ☆
500円を100円にまけてもらったとか☆




今日は携帯からなので、簡単日記。詳しく&レス返しは明日になります~。

2007年10月24日水曜日

ガラスを見にいく




ガラス好きのマイミクさんであるJ-fishさんが、日記で、ガラス展の模様をときどきアップしてくれるのですね。

オレはガラス工芸のことはよく知らないのですが、お写真を拝見しているだけでもキレイで、ガラスには見えないものもたくさんあって、ガラスって自由度が高い素材でおもしろそう!って、思っていたのですよ。

で、J-fishさんのマイミクさんがガラス作家さんで、そちらの個展が行われたときも日記で紹介してくれて、これまたキレイでしてね、いっぺん実物を見たいなあと思っていたところ、なんと、その方の個展が奈良で開催される!って教えていただき、奈良といえば最近は勝手知ったる場所(笑) そうだ、奈良行こう!ってことで行ってきたのでした。

といっても行ったのは先週の火曜だったかな? もう1週間が経ちますが、例によって写真を撮ってくるのをすっかり忘れていて、これは写真があったほうがいいなあ、と思っていたところですな、奈良在住のマイミクさんのgoutさんが行かれたついでに写真を撮ってきてくださって、ようやく日記のアップとなりました(笑)

なので、上記の写真は、photo by gout-sanです☆
goutさん、恩にきます☆

場所がね、いいところにあるんですよ。
奈良の高畑町ってところなのですが、志賀直哉の旧居があったり新薬師寺があったりする、閑静な場所なのですね。その一角にですな、瀟洒な洋館風のカフェというかブティックというかイベントスペースというか、そういうお店がありまして、お寺さんをまわったりしながらぶらぶらと散策にうってつけの場所なのですが、いろいろとまわっているうちに結構な時間になってしまい、最後は、滑り込むようにして個展に辿り着いたのでした(笑)

ガラスは、大皿になったり花器になったり、アクセサリーになったり、さまざまなかたちに姿を変えるのですが、粉状になった金属が吹き付けられていて(吹き付けられていて、という表現が適当なのかどうかはわかんないんだけれども)、一瞥してガラスとはわからないものまであります。漆かな?なんて思ったものもあるし。。
でも、それでいて、ガラスの持つ清潔感のようなものはまったく失われていなくて、下手な陶器よりも、よほど品がいいですね。

写真の壁にかかっているものは、花器です。一輪差しだったり数本の草花を生けられるものだったりさまざまですが、これまた、一瞥しただけではガラスに見えません。でも、うっすらと透明感があり、奥行きがあり、ガラスでありながらも柔らかさが感じられて、これまたすごく品がいい。

器を眺めるときは、いつも、どんな料理を盛りつけたらしっくり来るかなあ、ってことを想像しながら、眺めています。
色の濃いお皿だと、ウニやフルーツを使った原色の色が入ってるオードブルなんかが映えるだろうな、とか。
白い大皿は、なにを盛りつけてもいいけれども、カツオのたたきとか、どかーんとした料理が美味そう!とか。

そんなことを想像していたらお腹が空いてきてしまいました。
この日は、goutさんもお誘いしてまして(結局、goutさんはこの日と最終日と2度ご来場☆)、その後、goutさん宅で今年初の柿をいただいたのでした。

そういえば、柿を盛りつけてもいいかんじのお皿もありました(笑)



なんか、たまたま手元にあったので、エンヤを聴いとります~。
なんとなく、ガラスっぽいな(笑)

本日の1枚:
『Orinoco Flow』
Enya

2007年10月19日金曜日

身代わり猿ときつねうどん

マイミクさんのJ-fishさんのこれまたマイミクさんのkamekameさんが奈良でガラス展を開催されたので、行ってきたのでした。

その話はまた後日に日記にアップします。

んで、今回は、そのついでにお寺さんをまわったので、やっぱ、ルイス=お寺さん巡りなので、まずそっちから(笑)

近鉄奈良駅からアクセスのいいお寺さんは、この夏にgoutさんの奈良倶楽部へお邪魔した際にあらかたまわったのですが、まだいくつか残っているので、2、3、つぶしてきました。
といって、あまり時間がないので、簡単にまわれるところだけなのですが。

で、今回は、庚申堂。
なかに入れません。入口だけです。
入口だけしか行ってないのに、それだけで日記を1本書こうというのが今回の図々しい企みなのですが、まあ、お付き合いくだされ。

そもそも、庚申堂というお寺さんは、京都にありましてですね、そちらは八坂庚申堂。小さいですが、八坂神社の近くにあって、まあまあ有名なお寺さんです。

庚申、という字が示すとおり、干支の庚(かのえ)&申(さる)の日を意味してまして、オレたちの身体に巣食っている三尸(さんし)の虫が、この日の夜、寝ているあいだにですな、身体から抜け出して、宿主、たとえばオレがこれまでに行なってきた悪行を天帝さんに告げに行くんですわ。
ほいで、天帝さんは寿命を司ってますから、悪行の罰として、オレの寿命を縮めよるわけです。
ところがぎっちょんちょん、この三尸の虫は、オレが寝ているあいだにしか身体から抜け出すことが出来ないので、庚申の日は、徹夜して起きておけばいいわけです。これを、庚申待ちと言いますが、しょっちゅう徹夜しているオレにとっては、なんぼ悪行を尽くしたところで寿命短縮の罰を簡単に回避出来るという、なかなか愉快な物語でもあります。

ちなみに今年の庚申日は、1月26日、3月26日、5月26日、7月25日、9月23日、11月26日ですが、徹夜していたかどうかは覚えてまへん(笑)

まあ、講釈はこんなもんにして…、あ、まだ講釈が続きますわ。
なんせ、実際には入口しか行ってないんで、講釈せんと間が持ちまへん。。

この、庚申堂には、マスコットというか、ここでよく見かけるものがありまして、そいつが、くくり猿です。
じつは、この、くくり猿を久しぶりに見たいなあ、と思って、庚申堂に行ったんですけどね。

さて、猿は、人間に近い動物ではありますが、動物なので、欲、というか、本能のままに行動しますわな。
なので、この猿をですな、人間の欲に見立てて、欲が暴れんようにくくってしまえ!というのが、くくり猿です。

願いごとを叶ようと努力しても、欲が邪魔して邪魔するもんです。だったら、そいつをくくりつけて、庚申さんに上手いことコントロールしてもらおう!ってことで、くくり猿は、猿が四肢をくくりつけられた、獣縛りの格好をしてます。
なので、この場合の願いごとは、宝くじが当たりますように!とかではなくて、受験に合格しますように!といった、目標みたいなもんでないと、ダメなわけですが。


んで、奈良にも庚申堂があることがわかったので、ガラス展に行くまえに、ちょっと立ち寄ってみた次第。

そしたら、まあ、なかに入ることは出来ず、入口でたたずむしかなかったのですが…(笑)

まあ、でも、いいんです。くくり猿が見たかったので☆
しかしですな、奈良の庚申堂は、くくり猿とは言わないみたいです。
身代わり猿、って書いてましたわ。や、姿形は、くくり猿とまったくおんなじなんですがね。

縁起が書かれた立て札があったので、つらつらとそれを読んでますと、京都のそれとは、ちと違います。

三尸の虫は悪病や災難を持ってくる虫になっていまして、コンニャクが嫌いだったので、人々は、庚申の日にコンニャクを喰べて退治した、と。
ほいで、三尸の虫は、さらに、猿も大嫌いで、猿が仲間と毛づくろいをしている姿は、まるで三尸の虫を取って喰べているような格好に見えたので、三尸の虫は恐れをなして逃げてしまった、と。
そこで人々は、いつも家の軒先に猿を吊るして悪病や災難が近寄らないように、おまじないをしている、と。

おもしろいですね~。奈良と京都ではおなじ庚申堂でも、ちょっと意味合いが違いますな。
京都では、人間の欲をくくりつけるものとしてのくくり猿だったものが、奈良では、災難除けの象徴としての身代わり猿になってます。
どこでどう変わったんでしょうね。というか、奈良が先か京都が先かすら、わからんのですが(笑)

庚申堂の入口には山ほど身代わりの猿が吊るされていましたが、このあたりの軒先のあちらこちらで、身代わり猿が吊るされてまして、あっちこっち見まわってました。

という、お話(笑)

三尸の虫を猿が退治してくれるので、正面にお猿さんがいます。でも、ここから先には入れません。。


庚申堂の山門には、身代わり猿がぎっしりです。


アップで見ると、こんなかんじです。お猿さんの四肢が獣縛りでくくられてます。


このあたりの軒先は、どこも、玄関に身代わり猿が吊るされています。


ここは4匹の身代わり猿がいます。


こちらは5匹の身代わり猿がいてました。




奈良に来たとき、いつも気になってたお店がありまして、うどん屋さんなんですが、立ち寄ってみました。
軒先にメニューのサンプルが並んでるんですが、うどんのくせに、あまりのインパクトの強いビジュアルに惹かれて、ちょっと食べてみたかったのですよ。





きつねうどんです。
ありえないビジュアルでしょ(笑)
大振りのお揚げさんを巾着に見立てて、うどんがひと玉まるまる入ってます(笑)
お揚げさんをプチッと破って、なかのうどんを出して、うどんとお揚げさんを一緒に食べる、と。
味は、いたって普通。
可もなく不可もなく。
700円也。



秋も夜長となってきましたので、こんなときは、シックにヴァン・モリソン☆
ほんまもんのハードボイルドです!

本日の1枚:
『Days Like This』
Van Morrison

2007年8月17日金曜日

奈良旅外道編 君はマンダラーズを知っているか?編


奈良旅で仏像ばっかり見ていたくせに、オレが全面的にバックアップしている、ブツゾー・マンダラーズを、すっかり忘れていましたですよ。

マンダラーズの面々、奈良出身が多いんですよ。
ぜひ、応援お願いいたします☆

2007年8月16日木曜日

奈良旅番外編 阿修羅像と対面する編


さて、奈良旅日記全行程は昨日の日記で6を数え、無事に大円団を迎えたのですが、番外編というか、最後にもひとつだけ(笑)

じつは、火曜と水曜に奈良旅を敢行したあとのその週の日曜、も一度、奈良を訪れたのでした…。
仕事だけどね。でも、寧楊さんやずんずんさんと合流して、そのときも燈花会に行ったり、ぱなぬふぁさんに教えてもらった、ならまちのオン・ザ・ロード・酒場にも再び行ったりもしたのですが、どーせなら、興福寺の阿修羅像を見ておこう!と。

こないだの奈良旅のとき、相方さんがね、オレが奈良に到着するまでのあいだに興福寺の阿修羅像にご対面してまして、それがまたそそる日記だったのですよ。

相方さんの阿修羅日記もどうぞ。


きっと、むかしに見ているような気もするのだけれども、ほとんど記憶にないし、一度は見ておきたい仏像だったので、これを機会に、ってことで。

しっかし、阿修羅像が収められている国宝感に入ってみると、ビックリしますよ。
さすがです。尋常じゃない仏像が、ゴロゴロしてます。
焼き肉と寿司と鍋を同時に出されたくらいの、むちゃくちゃな満腹感がありますわ。
持っとるなあ、と(笑)

阿修羅像は、もちろん、写真では何度も見ているし、頭にも焼き付いている像ではありますが、こうして現物と相対すると、見れば見るほど不思議な像です。

よく言われるように、お顔は、憂いに満ちた、泣きそうなのをこらえているかのような…、自我が芽生えはじめて、正義感を持つようになり、社会の現実と理想のギャップに苦しんでいるかのような…、あ、ロックンロールだわ!
ふと思いましたが、これ、ロックンロールの具現化ですね。
淋しんぼうのくせに、世界に対してあっかんべーをして、でも、誰よりも世界を愛しているし、世界に愛されたいと思っている人…、そういう、ロックンロールの持つ憂いが、ここからは見てとれます。

阿修羅像って、普通は、荒々しい怪物のような神です。
京都の北野天満宮にある北野天満宮縁起に描かれている阿修羅が有名なのですが、それを見ても、やはり荒ぶる神です。
天にかざした上段の腕は月と太陽を持ち、中段の手は弓と矢を持ち、下段の手は胸のまえで合掌している。
夜と昼を支配し、修羅に君臨する神…、そういう神さまです。

のちに仏教に帰依し、八部衆のひとりとなるのですが、そういうことを考えると、三面六臂のこの像の、6本の腕は、6本の腕があるというよりも、時間の経過を表現しているようにも思えます。

その阿修羅が、ここではなぜ少年として造形されているのか。
この像は、光明皇后が亡き母を弔って建てた西金堂に安置されていたといいますが、その直前、光明皇后は、ひとり息子を1歳で亡くしています。
西金堂が建立されたとき、亡くなった息子が生きていれば8歳です。
ということは…、この阿修羅像は、亡き息子を思ったものか、と、いろいろと想像は膨らみます。

そういうことを妄想したくなるほど、この像は、とても人間的なお顔をしています。
現実の人間を重ね合わせることが出来る造形なんですね。

さらにいえば、この像は、出来た当初、髪は金色、身体は赤く色付けられていたといいます。
異人さん、ですね。

当時、天平の時代は、一大国際都市であった唐の長安と盛んに交流を深め、この奈良の地も、国際都市の様相を呈していました。そのせいで、最新の仏教が入ってき、正倉院に収められているような世界中の宝物が、この地にもたらされました。

なら、異人さんの子供がいても、不思議ではないですね。
赤い肌を持つ金髪の紅毛人が、この地で舞い、歌を歌っていた風景は、日常としてあったのでしょう。
阿修羅という異人の神を表現するにあたり、そうした異人のお子らをモデルとし、さらには光明皇后の亡き息子を重ね合わせた…、そんなふうに、オレは思いますね。


ちなみに、阿修羅像だけが単体で安置されているのではなく、阿修羅が属している八部衆(仏教に帰依した、ヒンドゥの神が8人ですな)のすべてが、ここではコンプリートされて安置されています。

天を司る、頭に象の冠をかぶった五部浄像。
雨を司る、頭上にコブラを立てた沙羯羅像。
水を守り、死者の魂を吸う悪鬼でもある鳩槃荼像は、髪が燃えています。
笙を吹き、音楽で供養する乾闥婆像は、頭上に獅子の冠をかぶっています。
毒や煩悩、害を与える一切の悪を食いつくす迦楼羅像は、鳥頭人身です。
毘沙門天の家来であり音楽を司る緊那羅像は、一角の鬼の姿をしています。
ニシキヘビを神格化した畢婆迦羅像は、音楽を司り、横笛を吹いています。

阿修羅像に加えて、これらの像が勢揃い☆
8体すべてが並ぶさまは、壮観ですぜ!

さらに、見事な千手観音さんもいらっしゃり…、まじ、ごちそうのてんこ盛りで、さす国宝館と謳うだけあって、ヤバいです☆



いや、いいもん見たな。
このあと、再び燈花会を楽しみ、帰阪後の深夜、扇町公園でペルセウス流星群を見たのでした。流れ星、3個発見。
終戦の日。鎮魂も込めて。


アイム.ロックンロール!
興福寺の阿修羅像のBGMって、これがベストだと思うな☆


『sunday morning』
The Velvet Underground